ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.6(2011/06/17〜18) C
【剣ヶ峰〜蚕玉岳】
こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。
先週からの雪解けは高さ50センチ程度。先週の段階では昨年よりも一週間早い雪解け状況でしたが、今週はほぼ昨年並みです。
今回は取材に訪れた二日間とも濃霧に覆われている時間帯が長く、撮影がなかなかはかどらない状況でした。こちらは稜線から滑り込むエリアを撮影したもの。画像の左から砂礫部分が雪解けとともに現れるようになってきました。また、先週あたりから剣ヶ峰寄りの右側部分でも地肌が見えるようになってきました。そのため、滑走エリアは横幅の狭い箇所が一部あり、もっとも狭いところで幅35メートル程度となっています。
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昨年の位ヶ原 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2010/06/18〜19) C |
今週の位ヶ原 昨年よりややや早い雪解け |
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昨年の剣ヶ峰直下の岩 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2010/06/18〜19) C |
今週の剣ヶ峰直下の岩 昨年より一週間から二週間早い雪解け |
眼下に広がる位ヶ原の唐草模様は、先週は昨年より一週間早い雪解け状況でしたが、今週は昨年よりもやや早い程度となっています。そして、下段の剣ヶ峰直下の岩付近は、先週の二週間程度早い雪解け状況から、今週は一週間から二週間ほど早い程度となり、全体的に昨年と比べて雪解けスピードが遅くなっています。
濃霧の中に見つけた足跡。一方一歩の足跡に二つの爪跡がしっかりと確認できます。おそらく、カモシカの足跡だと考えられます。通常、乗鞍高原などの山麓で見かける野生動物ですが、近年、カモシカに限らず、サルやイノシシなどの野生動物が山頂付近まで出没しており、高山植物の踏み荒らしや雷鳥への影響が懸念されるところです。
稜線から県道乗鞍岳線との合流地点までの区間を3分の1程度滑走したところ。急斜面から緩斜面に変化する部分です。雪解けが進んで6月中下旬ごろになるとこの付近は左右から岩場やハイマツ帯が延びて来て滑走エリアが上部と下部に分断されて滑走できなくなります
先週から岩の頭が出始めました。この一週間の雪解けは高さ30センチ程度と、雪解けスピードは速くありません。そのため、先週の段階では、昨年よりも二週間早い状況でしたが、今週は昨年よりも一週間程度にとどまっています。また、この付近が最も横幅が狭くなる箇所で、現在は35メートルほどです。
おそらく、次週末あたりはこの箇所で、上下の滑走エリアが分断されてくると考えられ、そろそろ、稜線からの滑走できるシーズンは終了となってきます。
上部の急斜面エリアはきれいなバーンでしたが、下部の緩斜面に差し掛かると、雨水の流れによる縦溝や再氷結してできた小さな氷柱が表面に見られるようになります。
滑走できないことはありませんが、板をしっかりと抑えながら慎重にターンを続ける必要があります。
このようなバーンコンディションは、これからの時期は普通に見られ、梅雨明けしてしっかりと太陽の日差しが降り注ぎ、バーンが緩む時期にならないと解消されません。したがって、梅雨の真っ只中の7月中は、夏スキー本番の時期を迎えますが、この状態が普通と考えられます。
全体的な雪解け・積雪状況は昨年より一週間程度早い様子です。
稜線から約1kmほど滑り降りると県道乗鞍岳線と合流します。
切り通しの高さは先週の2メートルから1.7メートルに...先週と同様、昨年より一週間早い雪解け状況です。
【大雪渓下部】
ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。
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昨年の大雪渓入口 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2010/06/18〜19) D |
今週の大雪渓入口 昨年よりもやや早い雪解け |
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昨年の大雪渓入口 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2010/06/18〜19) D |
今週の大雪渓入口 昨年よりもやや早い雪解け |
大雪渓入口付近は、この一週間で高さ50センチ程度の雪解けを見せています。先週の段階では、昨年よりも一週間から二週間早い雪解け状況を見せていましたが、雪解けスピードが遅くなってきて、昨年よりもやや早い程度にとどまっています。
こちらはトイレ付近。ここから位ヶ原山荘方面に滑走可能ですが、バーン表面の縦溝がひどく、慎重な滑走が求められます。
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昨年のトイレ周辺 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2010/06/18〜19) D |
今週のトイレ周辺 昨年並みの雪解け |
この付近で一週間で高さ30センチ程度しか雪解けが進んでいません。そのため、先週の段階では、昨年よりも一週間早い雪解けでしたが、今週はほぼ昨年並みとなっています。
大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。先週から標識が見えるようになって、昨年より一週間早い雪解け状況でしたが、こちらも雪解けスピードが遅く、昨年よりもやや早い程度にとどまっています。
雪渓下部にはご覧のようにクラックが入っています。このクラックは5月初めには確認できず、大雨で激しく雪解けした5月中旬から確認されました。急激な雪解けによって発生したものと考えられますが、毎年、ほぼ同じ位置にできています。
クラックの開口幅は先週よりもさらに広がって1.8メートルほど。スキーの板が両端に届かず、断面がV字になっているクラックの上端より、20〜30センチほど内側に橋掛けて撮影しています。この程度まで広がってくるとクラックを横断することが不可能となりますので、クラックが閉塞する北端、または、南端から登って行くこととになります。クラックの全長は約100メートル。北端はモーグルコースの岩の下部付近で、南端は石碑の岩の下部付近です。
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昨年のモーグルコースの岩 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2010/06/18〜19) D |
今週のモーグルコースの岩 昨年よりもやや早い雪解け |
そして、こちらがクラックの南端の上部にあるモーグルコースの岩。大雪渓の中で最初に出現する岩で、7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。
先週からの雪解けは30センチほどしかなく、昨年より一週間から二週間早い雪解け状況から、今週は昨年よりもやや早い程度にとどまっています。
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昨年の石碑の岩 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2010/06/18〜19) D |
今週の石碑の岩 昨年よりもやや早い雪解け |
そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。こちらの石碑の岩は先週より50センチ程度の雪解けで、先週は昨年より一週間早い雪解け状況でしたが、今週は昨年よりもやや早い程度となっています。(→ Next)
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