ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.1(2007/05/12〜13) H

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(Update:2007/05/17)

 

【大雪渓は濃霧のち快晴】

屋根板の登り口から進んでくると、左の画像のようにかなり北寄りにコースを取っていることがわかります。ご覧のように位ヶ原の台地が見え始めたら、コースを南寄りにとって、急斜面をトラバースして行きます。

位ヶ原に上がって、大雪渓にたどり着くと、右の画像のように完全に濃霧の中。

 

大雪渓駐車場のトイレ

こんなときは、大雪渓駐車場のトイレにたどり着くと、ホッとします。

 

トイレ周辺は雪の壁ができ、風も幾分弱いため、ストーブに火を起こして暖をとって、凍えた体を温めます。

 

こちらの方は、今回始めてノリクラにお越しになりました。この天候だと、初めてでなくても、ツアーコースには帰る事が難しい状況です。今日は来たルートをそのまま滑って位ヶ原山荘へお帰りとの事。ノリクラデビューがこんな天気では、ちょっと残念ですが、ぜひまたお越しください。

 

ボードの方がお帰りになって数分後、また、別の方がやってきます。今回はノリクラに数日間滞在との事。

 

少しお話をしていると、大雪渓からテレマークの方がお越しになり、さらに人数が増えます。大雪渓はかなり固い斜面になっていて、楽しく滑走できる状態ではないとの事。これから、ツアーコースへ帰りたいけど、どのようなルートで帰ろうかと少し思案されていました。

少し下れば、霧の状況は良くなるかと思いますが、心配であれば、このまま宝徳霊神バス停付近まで滑走し、除雪が進む県道乗鞍岳線沿いに滑り降りて、ツアーコースに向かうという手段もあります。ただ、この場合でも、ある程度、この時期の位ヶ原の状況をご存知でないと無理かもしれません。

 

大雪渓はご覧のように完全に濃霧の中。そんな状況の中で、地図を広げていらっしゃる方をお見かけしました。こちらの方も今回初めてノリクラにお越しになったとの事。ただ、この状況ではコンパスと地図があってもなかなか難しいところがあります。
ツアーコースへ行きたいとのご希望でしたが、今回は無理をせずに位ヶ原山荘へ戻るルートをご案内させていただきました。

位ヶ原は、一旦、濃霧になると、右も左もわからない状況になります。今回は濃霧の時間が短く、また、少し下れば、霧が薄くなったため、多くの方が、無事にツアーコースへ向かうことができたようですが、位ヶ原全体が視界20メートル以下ということがたまにあり、この状態だと、平衡感覚すらなくなり、怖くて身動きが取れません。

今回、ツアーコースに戻れたものの、次回の濃霧の日も、同じように戻れるとは限りません。よく来ていても、細かな地形の状況は、時期とともに変化し、把握できないものです。「よく来ているから大丈夫」という感覚は絶対に持たないことです。

 

13時過ぎには、大半の方が下山されましたが、その後、14時を回ったあたりから、急速に天候が回復してきました。激しく流れる雲の動きは、まるでコマおとしの映画のようです。

 

山頂付近にかかっていた雲もだんだん消え始め、15時近くには、ご覧のように青空がいっぱいに広がります。それまでの天候がまるでうそのようです。

 

 

【昨年の今ごろは?】

date:2006/05/15

2006シーズンは、当初から積雪量の多い年で、10月末まで滑走できました。それでも、この時期は山頂付近には岩場が多く見られ、そのすぐ下の裾野にはすでにハイマツ帯が見られます。明らかに今年のほうが多い状況です。

 

 

<編集後記>

今回より、2007シーズン ノリクラ雪渓カレンダーをスタートいたします。また、3月から開始したプレリリース版の2ヶ月間、取材で声をかけさせていただくと、「いつも見てますよ〜」とおっしゃってくださる方が多く、中には、わざわざ、お声をかけてくださる方もいらっしゃり、大変励みになります。毎週毎週の取材・編集はかなりの労力ですが、そんな反応が一番の原動力となります。これからも引き続き、ご愛読くださいますようよろしくお願いいたします。

今回の記事の中で、「今年は山麓は雪が少なかったが、高山では多い」と、申し上げました。確かに暖冬だった今年は雪不足で、多くのスキー場では必死になってゲレンデコンディションの保持を行わないといけない状況でした。特に1月から2月の降雪期に冬型が続かず、3月になってエルニーニョ現象が収まってから、ようやく寒さが戻ってきました。高山では冬型が強くなりすぎると、強風の影響で積雪にならず、今年のように、強い冬型でない場合のほうが、高山で積雪が多くなる原因の一つになっているのかもしれません。実際、ノリクラでも3月から4月末まで、積雪量は増える一方でした。真冬よりも着雪しやすい雪質が積雪量に起因しているでしょう。

さて、今年は大雪渓でいつまで滑走できるか?いろんな楽しみを与えてくれるノリクラをこれからもお届けしたいと思います。

 

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